まつな

赤いくらげの人

20.2.15

春の匂いが日に日に強くなる

春の匂いの鬱陶しさに負けずと身体を起こし

目やにすらロクに取らず向かうコンビニで161番を下さいと言う

人の為に流した涙と自分の為に流した涙

爆発音に似た耳鳴り

エンドロールにしては長過ぎる余生

無力さを噛み締めるには痛過ぎる社会

 

交番の前の昨日の事故件数を眺める

生きてるだけで丸儲け

なんて嘘八百の歌がまかり通る社会で生きている

 

私が教師じゃなかったらあなたを殺してしまいたい

と話していた小学校の担任 指田 聖子

あの時あなたに殺されていたらと たまに思い出す

残念ながらまだ生きている 自分でも不思議なくらいに

 

一度は確実に握りしめた愛が指の間からこぼれ落ちる

離すまいと強く握りしめればしめるほどこぼれ落ちる

確かにそこにあったはずの愛は今どこにある

明日はどう生き延びる

その事ばかり考えて日が暮れる

 

20.2.15 墨田区 晴れ 12℃