まつな

赤いくらげの人

18.10.20

季節だけが何周も回る中、情けないくらいに染み付いた負け癖にもうなんとも思わなくなった。

 

「道は後ろに出来る」胡散臭い誰かの言葉に今日も殺される、前はおろか後ろを見たって何も見えない。風に乗ったって何処にも向かえない、9.8m/s2には逆らえない。

 

悔しくないの?

悔しいに決まってる毎日泣いてる

心を殺してまで守りたい生活、見合わない価値、辞めるメンバーにお疲れ様1つ伝えられなかった底意地の汚さ、動いてくれる周りに上手く言えない感謝、見つからない逃げ場、言いたい事と言えない事、トラウマと呼ぶには稚拙すぎる思い出。

その1つ1つの全部が悔しい。

その1つ1つの全部に負ける。

 

死んだ友人達を時々思い出す。

気付かないフリしたメーデー、無視したライン、もう守れない約束、使われてない電話番号、残された手紙、夜通し語った公園にはマンションが建った。

20年以上生きて分かった、どうやらこの物体は性懲りも無く生き長らえたいらしい。

 

明日は何色の風が吹く

風に色がない事くらいいい加減気付かなきゃいけないってのに

それでも風に目を凝らして生きていきたい。

 

 

今日の風はさて何色だ。

 

 

 

 

 

18.10.20 世田谷区 くもり 15℃