まつな

赤いくらげの人

20.1.27

コンビニの前でネズミが潰れて死んでいた

顔見知りでもないネズミに情を寄せる程の余裕を持ち合わせてない僕は口の中でコーヒーにタバコの煙を飽和させながら部屋に帰る

 

換気をとうに諦めた換気扇にふと腹が立ち電源を止めてみる 部屋にしばしの無音が訪れる

すぐに理由の分からない涙が止まらなくなる

なるほど換気してたのは部屋ではなく心だったのかと急いで電源を入れ直す

 

治ってもないかさぶたを剥ぐのが

愛だと言い聞かせる夜をいくつ過ごした

愛なんて不明瞭なもののせいで今日もどこかで祈りや情理 不和が生まれる

愛は結局僕を救ってくれるのか分からないまま

 

何もかも全部から許されたいと友人に伝えると

結局一番自分に許されたいねと諭され我にかえる

高く見積もって3点の自分の人生のどこを許せる 一生許せない

 

死んだって星になれないと知った夜の絶望

コンドーム付けておけば愛は付着しないと勘違いしてた事

行くあてなんて無い方が良いと息巻いた夜の長さ

昔の恋人の声に頼るしかなかった弱い日々

行かなかった百草園と行けなかった百草園

減っていくだけの記憶を今日も抱きしめて眠気を待つ

分かるだろ って膝を抱えて言い聞かす

 

20.1.27 江東区 曇り 5℃