まつな

赤いくらげの人

18.12.15

 

街は広いし人はたくさん歩いてるのに

誰も自分を待ってはないし、冬の風は自分だけを鋭く刺してくれる訳じゃなかった。

口癖のように遠くに行きたがるくせに退勤するとすぐ乗換の最短ルートを検索する自分に嫌気がさす。

 

耳に残るベースライン、肉を焼く煙の匂い、少し早い年の瀬の挨拶、大学生の吐くカラフルなゲロ

眠らない のか 寝れない のかは今となってはどうでも良いし、冷えた体は人じゃなく嫌に明るい投光器で本能的に暖をとる。

 

拾って切って貼って捨てて

拾って切って貼って捨てて

拾って切って貼って捨てて

繰り返し繰り返し2018年も終わる

2016年も2017年も終わったから2018年もきっと終わる

 

 

持ち寄った痛みを愛と錯覚する前と後

寂しい って言葉を覚える前と後

赤色を主人公に奪われる前と後

もうきっとすぐ を諦める前と後

明るい歌が怖くなる前と後

 

不可逆な事ばっかり、嫌ね。

 

 

18.12.15 世田谷区 曇り時々晴れ 5℃