まつな

赤いくらげの人

19.7.10

服に開いた小さな穴もそこからほつれて大きくなる

外でやっても部屋の中でやってもシャボン玉は割れる

どんなに祝福を込めた花束もいつか枯れる

見えないふりを繰り返す

嫌な連絡は読まずに食べてPCが固まれば電源ボタンを長押しする

脳から溢れた文字を必死に両手ですくう

その指の間から文字が流れ落ちやがて川になる

淡い紫の風は割と丸みを帯びている

安らかな寝顔に安堵する

死にたがる割に毎日アプリで自宅への最短ルートを検索する

死にたくて死にたい人なんていないのではと考える

皆生きたい

生きたいから死にたいなら周りの死も少しは救われる

生きたくて死にたい という言葉の絶望感に絶望する

8年前当時の恋人が教えてくれた歌を今でも口ずさむ

海に向かってゲロを吐きたい

寄ってくる魚を眺めていたい

好きな人には会いたいと言いたい

何回も何百回も悪い事をした

その償いとしての余生はもう飽きた

死んだら地獄で結構だから

 

欲を言えば明日だって幸せに生きたい

 

19.7.10 墨田区 19℃ 曇り