まつな

赤いくらげの人

19.7.11

駅へ向かう人を眺める

沈まない満月は今日も明るい

寝息のリズムに耳をすませる

合わせて呼吸を少ししてみる

その速さを怖い夢かと不安に思う

 

駅へ向かう人を眺める

朝駅へ向かう事を羨ましく思う

上り電車はこの時間から満員だ

今は31:40だと自分に言い聞かす

お腹の中で何かが消化されている

 

駅へ向かう人を眺める

生きる理由をふと考える

何も出なくて少し戸惑う

ぬいぐるみで自分を殴る

自分で殴らないのは自分が大切だから

 

駅へ向かう人を眺める

お巡りさんに言われた「かしこくやれよ」

かしこくやれたら苦労はしない

彼らが守る秩序の中で

今日も変わらず呼吸をしてる

 

駅へ向かう人を眺める

好きな人を好きだと思う

生きる理由はそれだと思う

結局今日も死にそびれたから

穏やかな自殺を今日も続ける

 

駅へ向かう人を今日も眺める

 

19.7.11 墨田区 21℃ 曇り