まつな

赤いくらげの人

19.10.25

10月の終わり

せっかちな僕の心は勝手に年末へ向けソワソワする

そう 今年も終わる 去年も終わったし来年もその翌年もきっと終わる何千回と繰り返す

ぐるぐる回りながら押し寄せる生活に少し安堵する

こないだ生まれた弟はいつのまにか大人になった

持ち寄った傷は何回癒えた

嫌いな角を何回曲がって好きな角を何回曲がった

今日こそ死んでやると決めた夜も今じゃ何周前だ

 

どこにも行けない休日で良い

寝たきゃ寝て食べたきゃ食べる

煙の吐きしな声を出す

下手な夜明けに雨が降る

溜まった街の臭いを流してくれる雨が降る

 

19.10.25 渋谷区 曇り 15℃

19.9.23

毎日はゆるくしんどいし

たまに度が過ぎてしんどいのに

満員電車 耳を塞いで聞こえないフリして

笑って生きてる僕達は皆が皆静かに狂ってる

緩やかな自殺の様な生活と充実した生活の比較

 

ゴミの曜日は未だに覚えらんないし

灰皿代わりのカップ麺の容器の濁りは

永遠に感じた水質改善工事の終わらない川に

読まずに投げ捨てた手紙 封代わりのしまじろうのシールを思い出す

 

好きだったバンドが解散を発表した日、満月と三日月が同じ衛星だと知った日、初めてオナニーではなくセックスをした日、大好きな友達が自殺した日

連続する生活の中で時折起こるイレギュラーにもすっかり慣れた

 

深呼吸をしてみる

バグった肺を酷使して頭からつま先まで空気を送るイメージ

深呼吸をしてみる

西高東低冬型の気圧配置

酸素は21%中学理科の知識を捻り出す

 

 

今年もまた冬がくる

 

19.9.23 渋谷区 30℃ 曇り

19.9.14

生命維持装置かの扱いを受けるタバコと汚い灰皿3つ

流れ続ける世俗的なアニメの区別のつかない声

昨日の自分と明日の自分の入れ替わりとしての睡眠

道で潰れたネズミ コンビニで働く異国の人

大して面白くもない夢から覚める朝7時

寝息と換気扇の混ざった音の不規則性さ

両の音の出所がくれる安心感

 

もう帰らないと思った街に昨日降りた

やっぱりダメだった

人生最後にきこえる歌もthereも

今となっちゃどうでも良い

 

燃やした手紙は文が脳に残り何の意味もない

伸びる爪、治るかさぶた、乾くと閉じる目に

生き延びる術を忘れない身体に辟易とする

いつになったら生きる事を諦める

死ぬ事を諦めない自分にはもっと辟易とする

 

失くしたくない物の保管の仕方

簡単な愛の伝え方

今日の予定

友人だったはずの人の顔と名前

東と西 郵便受けの暗証番号

今日もどれ1つ分からないけど生きてる

大衆的なものではないにしろ

 

僕は自分を幸せだと思う とても

 

19.9.14 渋谷区 25℃ 晴れ

 

19.8.16

 

 

恋人の吐く煙を綺麗だと思った

生き延びるには細すぎる腕を綺麗だと思った

頼むからまだ居なくなってくれるな

 

部屋を片すと死んだ友人からの手紙が出てきた

「お前はまだ俺に会いにくるな」の文字の自分勝手さに辟易とした

会いたいのに会えないなら死ねよって思ったら死んでた

 

頑張るぞって思った会社をクビになった

申し訳なさそうな先輩に申し訳なかったし

もうしゃがんで暑い中タバコが吸えないのかって思うと寂しくなった

 

炊飯器や洗濯機を使えるようになった

かさぶたは剥ぐと痛いと分かってるのに剥いじゃう

帰る場所を永遠に探してる

家にいるのに帰りたくなるあの感覚に追われてる

 

後ろに道なんてないから振り返っても寂しいだけ

一寸先は闇だけど一寸後も結局は闇

生活なんて今の連続でしかない

記憶なんて要らないから生きてたいよな

 

19.8.16 新城市 26℃ 雨